英語が喋れない

これまで20回位いろんな小学校に行って、スクールヘルスをしてきたんですが、
英語がすぐ出てこないことが度々あります。

あるインターナショナルスクールに行った時のこと。

この私立の優秀な小中学校は、それまで行ったどの学校よりも設備が整っていて、
手洗い用のバケツの数が他校よりも多く、校内にゴミ箱まであり、生徒がちゃんと
そこにゴミを捨てていました。
その光景を見て、慌ててカウンターパートに「ここではゴミの紙芝居はやめとこう」と
耳打ちしたほどです。

他にも、アートのクラスがあったり、パソコンの部屋があったり(2台のみでしたが)、
ドイツ、フランスなどヨーロッパの国々から短期ボランティアが理科や算数や
フランス語の授業をしにやって来ることがあるとのこと。

生徒の学力レベルは高く、質問のレベルも高かったです。

質問には大体カウンターパートと私が答えます。他のスタッフにも答えてほしいなあと
思いながら待っているのですが、やる気がないのか、シャイなのか、まだまだです。
なので、後で書くレポートのための書記をしてもらうか、手洗いデモンストレーションの時にカップから水を流す介助をしてもらうかします。

この日は私たちの他に、スウェーデンから男女の看護学生さんが見学に来ていました。


下痢の紙芝居の後に、10代半ば位の女の子から
「下痢を引き起こす細菌の名前を教えて下さい」という何ともハイレベルな質問がありました。

カウンターパートは、「それはバクテリア(細菌)だ!」と自信満々に答えていましたが、
答えになってないじゃないか!!と思い、私も必死で考えました。

「下痢になる細菌の種類はいっぱいあってね。コレラと、大腸菌と・・・(サルモネラって英語何やったっけ)」とモゴモゴと、「種類はいっぱいあって」と言っておきながら、挙げたのは2種類だけで、自信のない答え方でした。

そして便利な対応「詳しく調べて、後でお返事するね」と言ったのですが、その時
「ちょっと待って」との声が。見学していたスウェーデンの看護学生イザベラでした。
彼女が優雅に前に出て来て、生徒の質問に答えてくれたのでした。

スウェーデン訛りはあまり感じられない美しい英語で、
「Yukoが言ったものの他に、サルモネラ、シゲラ、・・・(美しすぎて聞き取れませんでした)
なんかがある。下痢の原因になるものは寄生虫もウイルスもあるよ。これで大丈夫?」
と、まさに看護学生らしい説明をしてくれました。

一同感心。。。


彼女は正しい英語で伝えてくれただけじゃなく、正しい見学の仕方も示してくれました。
それは、プログラムの後、彼女が評価してくれたことです。
「生徒は楽しんでいて、反応がとても良かった。一方的に話すのではなく、大事な言葉を生徒に繰り返させたり、質問を投げかけて生徒の意見を引き出したりしているところが良かった。」と。

「実際、一方的に話せるほどの語学力がないので、カウンターパートや生徒たち、教師たちから助けてもらわないと進まないので・・・」と言いましたが、「それが大事だ。」と。

そして、私に対する評価だけではなく、ヘルスセンターの責任者にも、プログラムに対する
好評価をしてくれたことが有難かったです。

多分私の語学力の低さが原因で、イザベラの態度は一貫して上から目線でしたが・・・
(こういう人多いから白人苦手)


人は、間接的に褒められると直接褒められるよりも嬉しい。
これは、私も同僚に対してやろうやろうと心がけていることですが、イザベラがヘルスセンターの責任者の前で評価してくれた時、こんなに嬉しいことだったんだーと実感しました。
もっと間接的に褒めようと思いました。

それから、私も授業や発表を見学させてもらう時、終わった後に黙って拍手をして帰ることが
よくありますが、これからはただ傍観者になるのではなく、たとえ一言でもフィードバックをして
相手にも自分にもプラスになるように努力をしようと思いました。


イエイ