感染症流行地域でマラリアと下痢の教育

また昨日の続きです。


【感染症流行地域でマラリアと下痢の教育】

蚊、蠅、蛾、蟻・・・とにかく虫が多くて日本のよりも大きいです。

家庭訪問で、蚊取り線香みたいに燃やして使う虫除けペーパーを配り、
ついでに蚊帳を使っているか、マラリアの症状等がないかを聞きます。

特に貧しい地域では、病院やクリニックに行けない人がよくいるので、
家庭訪問がきっかけで国民健康保険や交通手段の確保を依頼することがあります。


私の活動地域は熱帯雨林気候で、
マラリア、腸チフス、コレラなどの感染症が流行していて、死亡の原因にもなっています。

地域には大きな川があり、その近くではダイヤモンドが採れることがあるそうですが、
川の水の色は鴨川のような透明に近い色ではなく、
コーヒー牛乳のような濁った色です。
降水量が多い時期、その川が洪水を起こすと、感染症が爆発的に流行します。


前日の雨で水位が上がると、川岸の緑が茶色に変わるので、
降水量がどの程度だったか分かります。


配属先の保健施設では、感染症に関する健康教育を
学校や地域で毎月行うことが活動目標の一つとなっています。

しかしスタッフのやる気がなく、実際には学校や地域に出向いてもいないのに、
毎月健康教育を行っているという虚偽のレポートが提出されていました。

この残念な状況を変えるため、私はスタッフがやる気になるようなサポートをしたいと思い、
教育方法を工夫しました。

感染症流行地域で、一方通行な健康教育ではなくみんなが参加しやすいように、
紙芝居、歌、ダンスを通して感染症について学ぶプログラムを
スタッフと一緒に行っているところです。

紙芝居は、持ち運びしやすく電気がない所でも使えますし、
言葉の説明に加え視覚にも訴えて印象づけることができます。
そして、多くの人と一緒に見ることができ、時々質問をはさみ
対話しながら話を進めることができます。
また、何よりも言葉がスラスラ出てこない自分にとって、読むだけで説明できるのが楽です。

写真はマラリアの紙芝居で、以前ニジェールに派遣されていた隊員が提供してくれたものを仏語から英語に訳して使っています。
この他下痢の紙芝居もあり、自分達オリジナルの紙芝居も同僚と一緒に作り始めました。

写真の男性は私の活動を引き継いでくれるヘルスワーカーで、
私が英語で紙芝居を読んだ後、現地語に訳して補足説明をしてくれています。
現在は彼の指導のおかげで彼と他のスタッフだけでも健康教育をするようになって、
レポートも大体正直に書かれるようになりました。
今後もこの状況が続くか分かりませんが、見守っていきたいです。